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4/30 風俗ゲーム-新章-

みなさんは「風俗ゲーム」というゲームを憶えているだろうか。退屈な日常を打破し、スリリングかつハートウォーミングな気分になるためにpatoさんが考案した今世紀最高のリクリエーション。それが風俗ゲーム。

繁華街を適当にうろつき、風俗に行きそうな猛者をみつける。見つけたらその猛者が風俗店に入るまで執拗に尾行し続ける。この際にターゲットに尾行がばれないように細心の注意を払う。そして、見事ターゲットが風俗店に入店すれば勝利となる。もちろん、風俗などに行きそうに無い人間が入店した場合の方が高得点となる。

僕は長いこと暇を見つけては風俗ゲームに興じ、風俗店をとりまく様々な人間模様を見てきた。時にはバイオレンスなオッサンに尾行が見つかってしまい、命からがら逃げ出したり。時には童貞ズッコケ三人組のソープランドでの脱童貞を見守って一緒に涙したりと。

思うに、風俗店というのは限りになく人間の素が出る場所なのだ。性欲という人間にとって、特に男性にとって仕方のない欲望に身を任せ時においては、地位や名誉も体裁も関係ない。文字通り人間の裸の部分が現れるのだ。そういった人間の本質的な部分に触れることができる風俗ゲーム。だから僕はこんなにもこのゲームに惹かれているのかもしれない。

日本風俗ゲーム協会(JFA)の調べでは、2003年現在、国内の風俗ゲーム競技人口は三万人に達し、この夏には初の全国大会および代表選考会が開催され、次回のアジア競技会では正式種目として採用される運びのようだ。また、アテネ五輪においても採用される動きがあるようだ。ちなみにフィリピンでは国民の半分以上が風俗ゲームに興じており、国技に選定される勢いらしい。

世界的な風俗ゲームブームの到来、爆発的な競技人口の増加、そしてプレイヤーのマナーの向上とゲームの考案者としては、どれも喜ばしいことばかりである。やはり、自分の考えたゲームが多くの人にプレイしてもらえるとなると嬉しいものである。

しかしながら、僕は風俗ゲームに対して以前から漠然とした疑惑を抱いていた。競技人口の増加を受けても、そして自分自身で実際にプレイしながらも、「たしかに素晴らしい競技なのだけど、これでいいのだろうか」というモヤモヤした想いが常にあったのだ。

現状の風俗ゲームは、言うなれば受動的なゲームだ。ターゲットが到来するのを待ち、店に入るまで執拗に尾行するだけの受身なゲーム。風俗店に行こうとするターゲットが存在しないと成り立たないゲームなのだ。言い換えると、ターゲットにぶら下がっているだけのゲーム。非常に受身だ。

どんなスポーツでもそうなのだけど、競技と名が付くものはもっと積極的だ。もっと能動的で、自分自身で何とかしてやるっていう気概がビシビシと伝わってくる。野球だって積極的にボールをひっぱたくし、サッカーなんてボールは友達だとは思えないほどガシガシ蹴る。そう、スポーツってのは積極的なもんなんだ。闘志というかなんというか、そういうのがガンガンに出てなきゃスポーツとはいえない。

それにひきかえ風俗ゲームときたら、ねっとりとターゲットの到来を待ち、ジメジメと尾行するだけ。まったくもって闘志もクソも無い。ただそこにあるのは闘志でもなんでもなく、ストーカー一歩手前の陰湿な思いだけ。

こんなんじゃいけない。こんな消極的なスタイルで良いはずがない。もっと積極的で、もっと闘志を燃やせる風俗ゲームってのがきっとあるはず。誰もが胸を張って「僕、風俗ゲームプレイヤーです」と言える、そんなスポーツとしてあるべき姿がきっとあるはずなんだ。

そこで僕は考えました。もっと積極的でアグレッシブな新しい風俗ゲームの姿を考えました。それは考案者としての責任感からでしょうか、とにかく考えて考えまくったのです。

そして僕が目をつけた風俗独自のある風習、それを利用して積極的な新時代の風俗ゲームを考え出したのです。

着目したのは、風俗店の呼び込み

あまり風俗と縁もゆかりも無い方のために説明いたしますと、呼び込みとは風俗街に立つ怪しげな人物のことで、風俗店の前もしくは風俗街の路上で道行く殿方に声をかけては甘美な言葉を囁き、風俗店へと引きずり込む人のことを指します。大抵の場合はオッサンである事が多いです。

歌舞伎町なんか鬼のように風俗店の呼び込みがいますから、僕のような人物が一人で歩いていると、よほど物欲しげな顔しているのか、地獄の餓鬼のようにワラワラと呼び込みのオッサンが群がってくるものです。

この「呼び込み」という人種は、地域によって大差がありまして、親切に良い店などを紹介してくれることもありますが、大抵の場合はボッタクリです。淫靡な言葉に騙されて付いて行ったりなんかすると、とんでもなく酷い目にあわされることがあります。

「ピチピチギャルがアナタのお相手、一万円ぽっきりで」

なんていう呼び込みの甘い言葉に騙されてついて行ったりなんかしても、ピチピチギャルなんて一向に出て来なくて、サイババみたいなオバハンが出てきたりします。手から粉とか出しそうなオバハンが出てきます。もしくは、50代くらいの年齢で厚化粧、妖艶な紫のスーツに吉川晃司みたいな肩パットをした婆さんが出てきたりします。そんな婆さんにチンポをチュッパチャプスとか考えただけで恐ろしい。

とまあ、呼び込みというのは非常にリスキーなものですので、これから風俗デビューを考えている方は、呼び込みなんかの言葉には耳もくれず、事前に雑誌やらネットで情報収集した店に行くようにしましょう。

さてさて、少し話がそれましたが、この「呼び込み」をどのようにして風俗ゲームにブレンドし、ゲーム自体を積極的でアグレッシブなものに変えるのかといいますと、答えは簡単です。ええ、プレイヤー、つまり僕自身が風俗店の呼び込みになるのです

僕自身が呼び込みとなり、道行く男性に甘美な言葉を囁く。そいでもって、その男性をその気にさせたら僕の勝ち。そに気にさせなかったら僕の負けというルールです。もちろん、僕が勝手に呼び込みをやるので、全然店に引きずり込むつもりとかはないです。というか、その気になられても引きずり込む店がないので困ります。

しかし、ターゲットが風俗店に入るのをジッと待っているだけの従来の風俗ゲームより全然積極的な新風俗ゲーム。歩いている人を風俗に入れちまおうというゲームなのですから、かなり積極的です。

というわけで、アグレッシブに生まれ変わった風俗ゲーム。いよいよ始まりです。

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さて、実際に風俗ゲームを始める前に、二、三ほど注意点を。

まず、呼び込みをやる場合にはターゲットに手を触れるのはご法度とされています。これは、実際に風俗街で活躍されている呼び込みの方もそうなのですが、絶対にターゲットに手を触れることはありません。

「ちょっと待ってよ」と手を握って呼び止めたり、肩にちょっと触れるぐらいでもダメです。あくまでも言葉のみでターゲットの歩みを止めなければならないのです。

そして、もう一つの要注意ポイントが「縄張り」です。これは僕も正確には知らないのですが、風俗街などで話しかけてくる呼び込みは僕の歩みと共に一緒に歩きながら話しかけたりしてくるのですが、あるラインからは絶対に出ようとしません。

観察していても分かるのですが、呼び込みの人は定められた範囲内しか歩かないのです。ニワトリのように頑なに定められた範囲内から出ようとしない。この事実から察するに、おそらく呼び込みにも「縄張り」のようなものがあり、それを破って勝手に呼び込みをするのは非常に危険ではないかと考えられるのです。

ですから、少し効率は落ちますが、縄張りなんかを荒らさないように風俗街から少し離れたポイントで呼び込みをやることにします。

さて、これで準備は完了です。少しブラウン系の野暮ったい服装を装備して呼び込みポイントへと立ちます。そして、風俗街へと徒歩で向かう殿方に片っ端から話しかけ、見事その気にさせてみます。

1人目

夜の帳が落ちた風俗街周辺の真っ暗な交差点。人通りもまばらだ。通りの向こうでは華やかなネオン街の光が瞬いている。

そんな中、風俗街に向かって歩いていくスーツ姿のサラリーマン。太い黒ぶちのメガネがなんとも頼もしい。おそらく風俗店を目指して歩いているのではないかと思われる。とにかく話かければならない。

しかし、やってみて分かったのだが、話しかけるタイミングってのは意外と難しい。早すぎると声が届かないし、遅すぎると通り過ぎてしまう。それに、第一印象は大切なので怪しまれないように満面の笑みで話しかけねばならない。

とにかく、緊張してても始まらないので話しかける。

「こんばんはー。今日は何かお探しで?」

「・・・・」

無視。

決死の僕の言葉が耳に届かぬといった様子で、メガネを光らせて歩き去る。その黒ぶちのメガネが何とも頼もしい。

0勝1敗

2人目

チャラチャラした若者が歩いてくる。しかも、財布の中の札を数えながら歩いている。今や呼び込みの僕にとってはカモがネギ背負っているような状態。きっと、パチンコかなんかに勝利を収め、風俗で一発大ハッスル、とでも企んでいるののではないだろか。かなり勝ち目がありそうだ。

先ほどの黒メガネサラリーマンの教訓を踏まえ、無視されてはかなわないので、なんとかジョイフルな内容で話しかけることを決意する。

「お兄さん、今日はいい娘いるよー。若くていい娘いるよー」

「・・・・」

無視

全く聞き耳持たずに歩き去る若者。なんとも世知辛い世の中だ。どうやら、もっと魅惑的で甘美なセリフでないとターゲットの心は鷲掴みにできないようだ。

0勝2敗

三人目

「お兄さん、ボインちゃんいるよー」

「・・・・」

無視

0勝3敗

四人目

「おチンコチュッパチャプス!どう?どう?」

「・・・・」

0勝4敗

「今なら濃厚リップサービス!!間違いなし!」

「・・・・」

0勝5敗

「ズンドコベロンチョ!」

0勝6敗

「オッパイのワンダーランド!」

0勝7敗

「チンコ取れちゃうよ!すごいよ!」

0勝8敗

<中略>

32人目

「いい娘いるよー」(テンション下がり気味)

0勝32敗

どういうことだろうか。まさかここまで難しいとは思わなんだ。誰一人として僕の話を聞こうとしない。全員が無視してそそくさと通り過ぎてしまう。なんだか悲しい。人と人とが心を通い合わせることが出来ない無機質なナイトシティ。一体どうなってんだ。

それよりなにより、深夜の風俗街の外れ、真っ暗な交差点で「オッパイベロベロ」と連呼している自分が心底情けない。親が見たらさぞかし嘆きそうな光景だ。

それでも、僕は風俗ゲームを続ける。さすがに1勝ぐらいは、いや勝たないまでも話ぐらいは聞いて欲しい。このままでは僕自身が誰の目にも見えない小石のような存在に思えてしまうから。せめて、話くらいは聞いて欲しい。

気を取り直して呼び込みを続ける。

50人目

「加護亜依!加護亜依!」

50人を越えたあたりから何故だか知らないがこのセリフに落ちついた。何を考えて「加護亜依」を連呼したのか知らないが、明らかに意味不明。夜道を歩いていて「加護亜依」なんて話しかけられたら、「うわ、この人危ない人だ」と僕なら裸足で逃げ出す。

55人目

「加護亜依!加護亜依!」

「え?加護亜依みたいな娘がいるんですか?」

モーオタ、キターーーーーーーーーーーーッ!!!

ついについに、ターゲットに話を聞いてもらうことに性交、じゃねえや成功。心の中でガッツポーズをするほどの勢いで喜ぶのだけど、この後のトークをどう展開させていいのか分からず不安になる。

けれども、せっかく話を聞いてくれたターゲットだ。ここで逃がしてしまっては元も子もない。なんとか必死のトークで彼の心を繋ぎとめる。

「う、うん。いますよ、メチャクチャブリブリロリロリなのが」

なんだ、「メチャクチャブリブリロリロリ」って。自分で言っておきながら訳が分からない。しかしながら、

「へぇー、じゃあ行ってみようかなあ。なんて店なの?」

モーオタのヤツ、かなり加護亜依にご執心なご様子。こんな僕の意味不明トークでその気になるなんて。しかしながら、もっと注目すべきは店の名前を訊ねている部分。

もちろん、僕は勝手に呼び込みをやっているだけなので連れて行く店もクソもない。店名なんて答えようがない。さて、困った。

「ぺ・・ぺ・・・ペロンチョ学園っていう店なんだけどね」

とまあ、苦し紛れに僕が唯一知っている風俗店の名前(カキモノ「風俗ゲーム」参照)を言う始末。

「じゃあ、行ってみようかな?時間は?料金は?」

とまあ、よほど興味があるのかモーオタのやつ、ムチャクチャな質問攻め。そんなに聞くなって、僕は何も知らないんだから。

「えっと、40分くらい?で、料金は1万円くらい?」

とまあ、疑問形で答える始末。質問に質問で答える呼び込みなんて怪しいとか以前に不安すぎる。僕なら絶対にこんな呼び込みにはついていかない。

けれども、モーオタのヤツ

「じゃあ、決めた。その店に連れて行ってよ」

とか言い出しやがる。おいおい、ゲットしちまったよ。いともあっけなくゲットしちまったよ。よほど加護亜依という響きが気に入ったのだろうか。

とにかく、ゲットしてしまったものは仕方ないので、モーオタを引き連れて風俗街へと赴き、ペロンチョ学園まで連れて行きました。ペロンチョ学園に加護みたいな子がいるかどうかは知らんけど。

入り口のエレベーターの場所(ペロンチョ学園は雑居ビルの2階)でモーオタに

「じゃあ、ワタシはここまでだから。後はエレベーターで2階まで上がってもらってカウンターで「加護亜依」みたいな子ってお願いしてね」

とだけ説明して「一名様、ごあんなーい」とか大声で叫びながら、エレベーターの扉が閉まった瞬間にダッシュで逃げました。後はどうなろうと知ったこっちゃありません。

というわけで、難易度が格段に上がった新風俗ゲーム。従来の消極的なルールと異なって積極的ですし、勝利を収めても困るだけという良いとこなしのスタイルですが、トークスキルを磨くのにはいいかもしれません。

是非とも皆さんもお近くの風俗街などでやってみるがいいと思います。ただしやる場合は縄張りには特に注意。そして、かならず自分の責任の下に行ってください。何が起こっても当方は一切の責任を持ちません。あくまでも自分自身のリスクで。

今年の夏は全国大会やります。

新風俗ゲーム戦績 1勝54敗


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