訪問販売とバイブ

新聞勧誘に宗教勧誘、NHKの集金に訪問販売
独り暮らしのアパートとは切っても切れない好敵手たちです。

特に訪問販売などは物凄いものがありまして、
歴戦の猛者どもがこぞって貴方を狙います。
いかにして買わせるか、いかにしてローンを組ませるか
彼らはハイエナのように僕達を狙っています。
今日はそんな訪問販売にまつわるお話です。

私は、アパートに居る時などはかなり暇にしていますので
訪問販売者を「間に合ってます!」などと無下に断ったりはしない主義でして
とにかく部屋に上がってもらって話を聞くというスタイルを取っています。

自分の話し相手になってもらいながら絶対に商品は買わない

これが私の対訪問販売迎撃マニュアルでした。

英会話テープの販売の人は3時間話相手になってくれました
PC販売の人は途中で帰りたそうにしてました
宗教勧誘の人と熱く宗教論を深夜まで議論したこともありました。

そして私はこれらの戦いに常に勝利してきました。
つまり、暇だけ潰させてもらい、1銭たりとも金は払いませんでした。

私は無敵です

とまあ、つい先日までは天狗になっていました。
そう、ヤツに会うまでは

訪問販売業界はこんな私に最強の刺客を送り込んできたのです。



気だるい週末の午後
僕はつまらないテレビを見ながらマッタリと過ごしていました。

ピンポーン

突如、平穏な日々を打ち破る悪魔の足音の如く玄関のチャイムが鳴りました
客です。
めんどくせぇなぁ、などと思いながらもドアを開けました。

そこには20台半ばであろう女性が黒いカバンを持って佇んでおりました。

ピンク色のスーツに派手めのアクセサリー
プンプンと香水の臭いをさせていました。

コイツ、間違えなく清純派ではありません。



「今日はとっても便利な商品のご説明に参りました」



ああ、訪問販売か・・・。
暇だし、色っぽいねえちゃんだし、まあいいか
と思い、僕は彼女を部屋に上げました。
ええ、ほんのりと下心もありましたよ。

で、このねぇちゃん部屋に入るや否やバックの中身を出し始めるのです
僕はその中身に愕然としました

出るわ出るわ 大人のおもちゃの 山、山、山、

グロテスクなバイブに変なフグみたいな口が開いたやつ
ドレッシングみたいな入れ物に入ったローション

もはやなんでもアリでした。


「な・・・なんですか・・これは」

「あら?オトナのお・も・ち・ゃ・よ、ウフフ」


訪問販売女は不敵な笑みを浮かべています。


「そ・・・そんなもん・・・必要ありません・・・帰ってください!」


もはや私は既に自分を見失っており完全にペースを乱されていました。


「あら?そんなことないですわよ、うふん」


このねーちゃん、さっきからやけにクネクネ動きやがります
完全に俺を魅了しようとしています。


「このバイブと同じ型のやつを私も使ってるんだけど、いいわよぉ、きっと彼女も喜ぶわよ」


いません、使う相手もいません!
それどころか「私も使ってる」ってどういうことですか!!!?
悶々と想像しちゃうじゃないですか!!!


「こーの、ローションだって最高よぅ〜」


誘うような販売トークはやめてください・・・。

僕は一刻も早くコイツを追い返したかった。じゃなきゃ僕が壊れちゃう
だけど男性なら分かってくれるだろう、正座したまま立つに立てない状況だった。
マズイ・・・このままではネーチャンごと買いかねない
対訪問販売戦初の完敗を喫してしまう・・・。

なんとかしなければ・・・・。


ピンポーン

また玄関のチャイムが鳴った。
客だ。出なくては。
しかし今は立つに立てない状況だ。どうしよう。


「あら?お客さんね。私が出るわ

コイツ、とんでもねーことおっしゃってやがります。
友人とかだったらどうすんだよ!
お前なんかが出てとんでもねえことになるじゃねえか。

そんなことお構いなしにネーチャンはドアを開けます。

「おう、首尾はどうだ」

なにやら野太い声が聞こえます。

「ええ、マアマアだわ」

おいおい!こいつらグルじゃねえか!
間違いねえ、最初からハメる気だったんだ

女性販売員を部屋に上がらせ大人のおもちゃで魅惑する
そこに
頃合良く外で待ち構えていた強面が乱入
一気に畳み掛ける

もう逃げられません。
逃げるどころかココは僕のアパートです。

強面のおじ様はノッシノッシと部屋に上がると、

兄ちゃん、このローション気持ちええぞ〜

と言って来ました。

「ハイ、買わせていただきます!」

初の敗北決定です。
なんとかローションだけで許してもらい、彼らは帰っていきました。

もう訪問販売なんか部屋に上げるもんか・・・。

泣きながら風呂で購入したローションを自分で塗ってみました。

ヌルヌルしてました・・・・。



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